ミヤコハルミ ノ オザシキコウタ
さっき、以前書いた楽器屋時代のお話を読み返していたら、
【雑談☆カントク】さあ、バンドをはじめよう!⓪ 燃えろ!! ロッケンロールデザイアー!!
新卒で入社した同じ会社、最初の配属:百貨店内のCD売り場、
その頃のことを思い出した。
1991年の冬だったと思う。
まだバブル崩壊してちょっとの頃、
レコード業界ってバブル崩壊直後にまた勢いを増した。
浪漫飛行、踊るぽんぽこりん、ラブストーリーは突然に
といった曲のシングルCDがバカ売れ、
'80年代に活躍したアイドル、
'70年代の後半以降ニューミュージックと呼ばれた人達、
TV、ドラマ、CMタイアップ曲、
バカ売れ時代。
土日、朝10時の開店とともに、子供たちが1,000円札握りしめて、ダッシュでシングルCDを買いに来る時代。
百貨店内のCD売り場とはいえ正社員のスタッフが15名近くいて、一日中レジで踊るようにくるっくるまわってた。ほとんどダンスかスポーツ状態。
そんなある日、お正月明けのある日、
当時はまだ珍しかった外国人のお客さん。
目のクリッとした背の低い、ガッチリとした体形の男性ふたり。
『ミヤコハルミサンノ オザシキコウタ クダサイ。』
そんなものは無い。
CD売り場も1年くらいいれば、店舗の在庫なんて把握できるし、カタログ上の商品も頭に入ってる。当時は、手書きFAXで注文してた時代だから、よく売れるCDは 品番まで頭に入ってる。
調べるまでもなく、そんなものは無い。
が、それじゃお客さん納得いかないから、該当するCDとカセットテープのコーナーまで連れて行ってこれみよがしに探してみせる。カタログもパラパラと探してみせる。
当然、無い。
『ワタシタチ、ニッケイブラジルジン。
ニホンジンノ オバアサン ブラジルデ マッテル。
アシタカエル。ミヤコハルミサンノ オザシキコウタ。』
え~ッ!?
当時の埼玉県大宮市では、まだ外国人珍しい。
BRASILなんて、今よりもっと遠い国。
わかった!ちょっとまって、もう一度念入りに探すよ!
オムニバス盤まで手に取って執拗にチェック。
まぁ、ない。あるはずがない。
今だったら、
『そりゃ~、ね~よ。しかないじゃん。』って言うところだが😂
当時のことだからさぁ~、
Brasilに住んでる日本人のおばあさんとか言われると、
あるはずないから仕方がないにしても、申し訳ない気持ちになっちゃってさー。
結局、都はるみさんのベスト盤カセットテープと、お座敷小唄が収録されたマヒナスターズのベスト盤カセットテープを買ってくれた。
とても感謝された。
聞けば、このあたりのCD店いろんなところへ行ったが、探してもくれなかった。
その時も、忙しかったのだけど、
そのやり取りをレジ対応しながら見守ってくれてたひとつうえの先輩が、
ちょっとの隙をついて、バックヤードから演歌カレンダーを持ってきて、
『ほらよ。ばあさんに土産だ。』ってぽーんと手渡してくれた。
『おお!! ありがとうございます!!』とわたしも嬉しかったし、
『エンカカレンダー!? ナンノコッチャ!?』と、
それは理解できなかった様子ながらとても喜んで帰っていった。
そのあと、先輩達がすれ違いさまに、
『いまの接客よかったぞ。』とみんな褒めてくれた。
店長には『おまえ、天職かもしれん。』と言われた。
いや、当時のことだから、
『ニホンジンノ オバアサン ブラジルデ マッテル。アシタカエル。』
とか言われたら、どうにもならんけど、なんとかしてやりたい!と思っていっぱいいっぱいになったところ、先輩たちがみんな見守ってくれてた実感にとても感動した。
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