さあ、バンドをはじめよう!⑦超重要!! ヴォーカル・マイクロフォンの使い方。

 

まず、ヴォーカル・マイクロフォンの使い方は、とてもシビアで難しい。

カラオケの様にさほど伴奏の音量が大きくない環境で、
マイクロフォンを適当に使っても声が収音されるのとは違う。

ドラムもベースもギターもキーボードも鳴ってれば、
ステージ上の音はかなり大きい。

ギター1本弾き語りであっても、
LIVEでは、結構大きな音に増幅されます。

マイクロフォンは、周囲の楽器の音も収音してしまいます。

ですので、ヴォーカリストは、よりシビアに積極的に
マイクロフォンに向かって声を入れる必要があります。


★まず、使い方の正解から。
こちら奇跡の一枚です。










昨年小学3年生だった時の我が娘と
遊びにきてくれた幼稚園来のお友達。

youtubeでカラオケを探して歌っています。
『家で、大きな音出せないから、
 自分の声がスピーカーからよく聴こえるようにマイクロフォンの向きを調整して。』
と言っただけで、ふたりは自分で探し当てました。
家ですから、照明も無い。空調や冷蔵庫の音も無い。
音環境が良い。という条件下ですから、探しやすいのは確か。

まず左の女の子、100点満点です。
アイドルグループの女性達もこの使い方をします。
ヴォーカルレッスンで教わる使い方です。
プロのMCの方もこの使い方をします。

右の女の子も100点満点です。
Rock band 定石の使い方。
声量の少ない方にも向きます。
Lowが深く入りますから、ギター1本弾き語りにも向きます。


★続いて、マイクロフォンの種類です。
写真は、私の私物ボロボロのマイクロフォン。








メーカーは、全てShure シュアーです。
全てダイナミックマイクロフォンです。
全て単一指向性マイクロフォンです。

左から、
・SM57:世界の大定番楽器用マイクロフォン。
・SM57 ウィンドスクリーンを被せたもの:ヴォーカル用としても使用できます。
・SM58:世界の大定番ヴォーカル用マイクロフォン。会議室でも使われています。
・Beta58:SM58のより指向性が強く、ハウリングに強く、音抜けが良いマイクロフォン。
・Beta57:SM57のより指向性が強く、ハウリングに強く、音抜けが良いマイクロフォン。

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※ダイナミックマイクロフォンとは?
電源を伴わず駆動するマイクロフォンです。
振動に強い。丈夫。動いて使うことにも向きます。
マイクロフォンに向かって音を入れることで収音してくれます。
LIVEや報道、スピーチ等に向きます。

対して、
※コンデンサーマイクロフォンとは?
振動に弱い。丈夫とはいいにくい。動いて使うことに向かない。
感度がとても良く、その場にある音を収音してくれます。
スタジオレコーディング、スタジオでの放送等に向きます。


★このマイクロフォンの使い方は、いかが?

演歌、歌謡曲の歌手の方の持ち方です。
昔のアイドルの持ち方でもあります。
或いは、とんでもなく歌が上手な方の持ち方です。
また、TV番組の司会の方の持ち方です。

私、コンデンサーマイクロフォンを持ってないので、
写真では、ダイナミックマイクロフォンで代用しています。
歌手の方や司会の方が、この持ち方をされる多くの場合、
コンデンサーマイクロフォンが使われています。

我々が、Live等で使用する際、コンデンサーマイクロフォンはまず使いません。
ですので、我々がこの持ち方をすることはありません。
という以上にとんでもなく響き渡る声量がない限り無理です。


★続きまして、この使い方は?










そうです。
結婚式のスピーチの持ち方です。
或いは、研修の時の持ち方です。

この持ち方は、間違っているのですが、
長時間に及ぶ静かな会議室における研修などでは、
私もこの持ち方をします。

この持ち方では、声の重要な成分は収音されにくくなってしまいます。
また、マイクロフォンを口に近づけてしまっているため
実際の声よりも低音が膨らんで収音されてしまいます。

喋りの素人が静かな会議室で話す時、
マイクロフォンを正しく使ってしまいますと、
活舌が悪さ、ぱぴぷぺぽの煩さ、ブッっと要らない息の音を拾ってしまいます。
聞いてる方は、不快になってきます。
静かなお部屋でオジサンの荒い息遣いは辛い。

たいていの素人さんは、自然にこの持ち方をします。
ざわついた結婚式会場で酔っ払いのおじさんが一人で盛り上がって楽しそうに話してるけど、何言ってるか聞き取れない。
屋外のイベントで偉い人が挨拶してるけど、幸いなことに、何言ってるか聞き取れない。
は、この為です。

例外があります。
超有名な方が、この使い方で歌われることがあります。
SASという航空会社名みたいなグループで業界の頂点に立ち続ける
あの大御所シンガーソングライターさんです。

あの方の場合、最高峰の音響機材と最高峰のエンジニアさんにサポートされています。
私たちには、なんの参考にもならないことをご理解ください。


★同様に、歌う為の使い方としたら、この使い方は最悪です。












・声の重要な主要な成分が収音されにくい。
・肝心な声が収音できないのに、ステージ上の他の楽器の不要な煩い音は拾ってしまう。
・口が近すぎて、不自然な低音ばかりが強調されてしまう。
・ドラム、ベース、キーボード、ギター等ほとんどの楽器が持っている中低域の
 煩い音域をもっと煩くしてしまう。


★では、これはいかがでしょう?













・Rock Bandの多くの方の使い方です。
 大口径のバスドラム、200wのベースアンプ、100wのギターアンプ。
 周囲の楽器の音に負けない様に声を入れるには、この方法しかありません。
 ポイントは、ともかく声を出す方向をマイクロフォンの軸に対してまっすぐ入れることです。
・声量の小さい方は、音響設備が限界を超えて、もうハウリングしてしまうという状況に至ってしまったらこの方法を試してください。
音響エンジニアさんは最初からBESTな音のヴォリューム設定をしているはずです。『音量をあげてください。』と言う前にちょっと考えてマイクロフォンに近づいてみた方が良いかもしれません。
・この使い方の欠点は、口がマイクロフォンに近すぎる為、低音を不自然に収音してしまうことです。
でも、ヘヴィーメタルだったら、それが音圧に繋がるかもしれません。
ドラムもベースも居ない、ギター1本弾き語りの際には、居ない低音を膨らませることができますし、耳障りがよくなる場合もあり得ます。


★普通には、これが最も正しい使い方です。














今の時代のアイドルの方々もこの角度で構えます。

でも、細かいことを言えば、
この写真では、ほんのちょっとだけ、マイクロフォンの位置が上にズレているかも?
5mmとか。
ちょっとのズレで、スピーカーから聞こえる音量は、全く異なります。
それにちょっと遠いかも?
口が、マイクロフォンから1cm~5cmほどの距離にあることが望ましい。
この点は、サウンドチェック時に音響エンジニアさんに確認。
本番中は、スピーカーから聴こえる音でリアルタイムに判断。


★これは?














上記に対して、そのままマイクロフォンから後退しています。
(いくらなんでも、ちょっと大げさに離れすぎですが。)
コーラスの時、この使い方はありです。

コーラスって、しょぼしょぼ歌うものではない。
サビの一番イイ時にみんなで歌って盛り上げる。
だから、元気に歌うべき。
だけど、リードヴォーカルより煩くなってはちょっと違う。
なので、ちょっとマイクロフォンから離れて元気に歌います。

この為、マイクロフォンは、地面に並行にセッティングすると便利です。
keyが合って、大きな声で歌いやすいコーラスもあれば、
keyが合わずに、大きな声では歌いにくいコーラスもあるはずです。
マイクロフォンに近づいたり、離れたりで調整することができます。
必ず、スピーカーからの自分の声を聴きながら判断してください。

★これはいかが?













ステージが高いところに位置して、客席が低い位置にある場合
こんな向きがあり得ますね。


★これはどうでしょう?














ステージと客席の高さがあまり変わらない場合など、
少し高めの遠くに向かって歌いたくなる場合があります。
そうしたら、マイクロフォンの向きはこの様になります。

※普通に、真っすぐ前に向かって歌おうとするときも、
 マイクロフォンを少々上から狙った方が良い場合があります。
 スピーカーからの音をよく聴いて、判断してください。


★おまけ。







写真に写ってるマイクロフォンは、SM57 楽器用のマイクロフォンです。
このマイクロフォン、ヴォーカル用として使うには、ちょっと丁寧に歌わねばなりませんが、万能なんです。
あらゆる楽器の収音に使えますし、
単一指向性マイクロフォンなのに、
コンデンサーマイクロフォンの様に空間の音を収音することにも向きます。

写真は、昔のソウルシンガー達が好んでSM57系のマイクロフォンを使用したことを真似ています。
家で、練習用のカラオケを録音する際などコーラスパートもイイ音で録れます。


★重要な補足①

単一指向性とは、限られた方向の音しか拾えませんよ。という意味です。
収音できる方向が、鋭く鋭角なんです。
SM57もSM58も単一指向性です。
Beta57,Beta58はさらに鋭角なんです。
マイ・マイクロフォンとして、大人気のBeta58ですが、
その鋭い鋭角な方向をしっかりと狙って歌えなければ、
歌は途切れ途切れになってしまいます。

また、Beta57,Beta58は、SM57に比べてより中高域が強調され、低域が抑えられています。この為、マイクロフォンから離れて歌うと低域が無くなってしまいます。
自身が歌う感覚ではなく、スピーカーから聴こえる自分の声をしっかりとモニターするように心掛けて使いましょう。

★重要な補足②

ステージ上のマイクロフォン本数は、少ない方が無難。

歌い手にマイクロフォンに向かって声を入れる意志が強くないと、
ダイナミックマイクロフォンは、声を拾ってくれませんが、
ステージ上の、ドラム、ベース、ギターの等大きい音は、
用途の意図に反して拾ってしまいます。

好意的に考えれば、音圧が増すかもしれません。

しかし、聴こえにくい、認識しにくい煩い音、
拾いたい音に対して、拾いたくない音の量が増えてしまう、
ということが実際であり、
ハウリングも誘発するかもしれません。

例えば、ベースの方が1曲だけコーラスをする。
とかであれば、いっそのこと、マイクロフォンの用意をやめてしまいましょう。

音響エンジニアさんが居る場合は、『何曲目だけベースがコーラスをします。』と
ハッキリとお伝えすることが重要となります。






★【雑談☆カントク】youtube
vol.5【マイクロフォンの使い方】~前振り編~


vol.6【続・マイクロフォンの使い方】~ 距離と角度 ~

★次回は♪
ちょっとだけマニアックにアコースティック ギター関連のお話し。
エレアコ エレガッド の プリアンプ


★ここまでの『さぁ、バンドをはいじめよう!』関連のお話しは、
こちらへ飛びます♪
プロフェッショナルとアマチュア


★マイクロフォンそのもののお話は、こちら♪
 マイマイクロフォン購入の参考にしてください。
SM58 と BETA58
SM57 と BETA57


★譜面台、、、
 実は、私は、タブレット、タブレットホルダー&ページターナー使ってます。

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