聴こえにくい音の存在。
Bandで演奏する時にも、
PAの作業をするにも、
宅録をする場合においても、
聴こえにくい音の存在の認識は重要です。
聴こえにくい音ってなんだ?
①我家の近所のコンビニでは、甲高い声の早口でなにやら捲し立ててる若い女性店員さんと、『なにを言ってるんだかまるでわからねーよ。』という年配男性のレジ前攻防を頻繁に見かけます。
②年配になると耳が聴こえにくくなるが、悪口だけはハッキリと聴き取れる。
③航空機に乗ってる時、飛行による爆音は、人間の脳にインストールされているオートイコライザーが自動作動して気にならなくなる。
それらも無関係ではありませんが、
④ミキサーの入力チャンネルにも存在するこの機能、
これは、100hz以下の低音はどうせ聴こえないのだから、
(正しくは、この楽器は100hz以下の音は鳴らない楽器だから、)
余計な音は通さずハウリング防止の為にもカットしてしまいましょう。というスイッチ。
ベースやバスドラム等の低音が重要な楽器以外を接続する際にオンにすると不要に収音してしまう低音の信号を遮断することができます。
この件からも、誤解されやすいのですが、
人間の耳も、実際には25hzくらいまでの低音が聴こえます。
ただ、100hz以下の低音は、
低音になるにしたがって
耳で聴く割合に対して
床や壁の揺れで感じる、風圧の様なもので感じる等
肌で感じる割合が増えます。
ベースやバスドラム、映画の効果音の重低音等が該当します。
この辺りの重低音を聴き取ることは、
耳で聴くというより脳で認識するイメージに近く
ある程度の習慣や訓練による個人差も生じます。
よって聴こえにくい音に該当します。
⑤エレアコ1本で弾き語りをする場合、
エレアコの低音部を少し増幅させると
ゴージャスなバランスで心地よい風に聴こえると思うのですが、
(※一般的なアコギ プリアンプの多くは、接続しただけでゴージャス系の音に加工される。)
ドラムやベースの居るバンドの中で
同じ音でエレアコを弾いても低音は聴き取りにくくなります。
よく聴こえないのにうるさい音になってきます。
⑥ドラム、ベースが鳴ってる中で
生声で歌っても大音量にかき消されて聞こえにくいですよね?
でも実際には歌ってる。聴こえにくい音です。
⑦ドラム、ベース、ギター、ピアノ、フルート、ヴァイオリン、トランペット、トロンボーン、サキソフォン、ヴォーカル等と編成が増えてゆく時、
全ての楽器に重複して含まれる音域帯300〜400hz周辺を中心に
どんどん膨らんで、どんどんうるさくなるとともに
それぞれの音が聴こえにくくなってきます。
⑧練習スタジオで練習した後、
静かになったスタジオに、
ベースアンプ等から ぷぅ〜ん。というか、みぃ〜ん。というかの
妙な発信音が聴こえたことがあるのではないでしょうか。
ノイズですが、練習中には聴こえないのにあれ結構大きな音ですよね。
⑨ベースがでしゃばって高い音も鳴らして、
ギターがでしゃばって低い音も鳴らしたら、
被る音域がうるさくなって、聞こえにくくなり
ヴォーカルが大変苦労することになります。
ベースとキーボードでも音域が過剰に被ると同じことに至ります。
⑩リヴァーブ、ディレイの残響音も、原音に比べたら聴こえにくい音ですし、
エフェクトを掛けて敢えて聴こえにくい要素を作り出して
音像を引っ込ませるという手法もよく用いられています。
↑これら、聴こえにくい音として、
超低音、同様に超高音、小さくて聴こえない音、かき消されて聞こえない音、被ってうるさい音、ノイズ、エフェクト音等ですが、
聴こえにくい不要な音、重要ではない音をイコライザー等でカットして
聴こえにくい重要な音を聴こえる様にすることで、
スッキリとバランスが良く聴こえる様になります。
そううまくはいきません!
聴こえにくい音などカットしてしまえばOK!!
みたいな簡単な話しにはなりません。
ノイズを含めた聴き取りにくい音達が、
心地よい音圧~インパクトのある音圧を生み出してもいるのです。
自然な加減~奏でられる音楽の種類や意図に従って調整が必要となります。
また、心地よく聴こえる音楽を体積でイメージした時、
その50%が低音の要素であることが望ましいとされています。
もちろん聴こえにくい音も含めた低音が50%必要となります。
(聴こえにくい高音の要素も必要となります。)
この為、各パートのバンドメンバーは、
互いのパートの担当音域を尊重した音作りをする必要があります。
わかりやすい例として、
ベースは、重低音をしっかりと鳴らすとともにギターの領域と重なる高音は控えるべきであり、
ギターは、ベースの領域と重なる低音を控えるべきとなります。
音響エンジニアは、本当に不要な音は排除する作業を行い、
各パートが重複し混濁を産む音域を整理する。
しかし適切な音圧を産むような加減を行っています。
これ、バンドアンサンブルを考えた音作りで最も重要なポイントのひとつです。
プレイヤーは、考慮して楽器を選択し、楽器を調整し、アンプ類のセッティングを行う必要があります。
が!実はソコで意外な手助けをしてくれるのが、ケーブル(シールド)でもあります。
ケーブルには、
広い音域の特性をもったもの、
低音を通しにくいもの、
低音がふくよかに聴こえるもの等の特性がありますので、
プリアンプの前段階で、イコライザーで補正するのとはまた違った効果を期待できます。
※試して、個々の意向に沿うか否かの確認が必須です。
安心と信頼のケーブルを使用して、
ガリ、ノイズ、断線等で周囲に掛かる迷惑を避けることが第一ですが、
ケーブルの選択にはそれ以上の効果を見込める可能性があります。
★次回は♪
楽器、マイクロフォン、オーディオ ケーブル ( シールド ) の おすすめ ④ オーディオ ケーブル編
★今回のお話がお好きな方におすすめのネタ♪
ところで、フラットってなんだ?問題。
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楽器、マイクロフォン、オーディオ ケーブル ( シールド ) の おすすめ ③ マイクロフォン ケーブル編
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